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ニュースリリース

2023年9月 1日

9 月1日の防災の日をきっかけに知る、「オストメイト」。被災経験のあるオストメイトの声から、誰もが互いにサポートしあい、自分らしく生きられる社会を考えよう。

アルケア株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:伊藤 克己、以下「アルケア」)は、創業以来「親切な製品をつくること」を志し、ケアをする人・ケアを受ける人の潜在的なニーズを察知して磨き抜かれた製品・情報・サービスを提供し、ケアの可能性を豊かにしていく「ベストケア」創造企業です。
アルケアのストーマ領域では、オストメイトの「自分らしい未来(あした)を応援する」というコンセプトのもと、ストーマケアで必要とするストーマ装具のみならず、日常生活をサポートする製品やサービスをカタチにし、オストメイトの生活を生涯にわたって支援することを目指して事業を展開しています。また、オストメイト交流会の開催(オストメイトの集い)、ご相談窓口の設置、オストメイト向け情報誌(向日葵)の無料配布などにも取り組んでおります。
オストメイトは、現在国内に約23万人いらっしゃいますが、社会的認知・理解は十分であるとは言えません。
アルケアは、国産唯一のストーマ装具メーカーとして、オストメイトの社会的認知の向上・理解促進のための啓発活動を行うべく、防災の日を契機として「オストメイトについて、そしてオストメイトがどのようなお困りごとを抱えているのか日頃から理解しておきたいこと」についてお知らせいたします。

オストメイトとは

さまざまな病気や事故などにより、お腹に排泄のための「ストーマ(人工肛門・人工膀胱)」を造設した人を「オストメイト」と呼びます。

ストーマ(人工肛門・人工膀胱)について

ストーマとはギリシャ語で「口」を意味し、便や尿を排泄するために手術によってお腹に造設した排泄口のことです。排泄口は腸や尿管をお腹の外に引き出してつくられます。括約筋がないために自分の意志で排泄をコントロールすることができません。
人工肛門あるいは人工膀胱という名称から、専用の機器などを使用した排泄管理と誤認されることもありますが、機器による管理ではなくストーマにストーマ装具を装着し便や尿を溜めて排泄管理を行います。

ストーマ画像(セルケア1Tds)

ストーマ装具と排泄ケアについて

ストーマから排出された排泄物や分泌物を溜める専用の装具のことで、ストーマ装具は排泄物を溜めておくストーマ袋(パウチ)と、ストーマ袋をお腹に粘着させる面板から構成されています。ストーマ装具には、面板とストーマ袋が一体になっている「単品系(ワンピース)装具」と面板とストーマ袋が別々になっている「二品系(ツーピース)装具」があります。
ストーマ装具の交換は週2~3回が一般的で、装具の交換まではストーマ袋に溜まった排泄物を適宜トイレで流して処理します。

オストメイトについての社会的認知・理解の課題

オストメイトは内部障害※1に該当し、国内に約23万人いらっしゃいます。ストーマは腹部に位置するため、外見だけではオストメイトであることはわかりません。外見からはわかりにくいがゆえに周囲から理解されづらく、バリアフリートイレを利用しにくいなどの心理的ストレスを受けやすい状況にあります。
また、排泄に関わるセンシティブなことでもあるため、ご自身がオストメイトであることを周囲に伝えない場合もあります。このような背景から、オストメイトについての社会的認知が進んでおらず、周囲の理解が十分に進んでいない課題があります。

※1 内臓機能の障害で、身体障害者福祉法では、心臓機能、呼吸器機能、腎臓機能、膀胱・直腸機能、小腸機能、肝臓機能、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)による免疫機能の7種類の機能障害が定められている

オストメイトの生活上の悩み

公益社団法人日本オストミー協会が実施した調査※2によると、ストーマ管理や皮膚トラブルなどがお悩みの上位にあがっています。そのなかでも「災害時のストーマ装具の補給や自己管理」は第2位になっていますが、日々排泄ケアを行う必要があることを考慮すると当然の結果であり、災害時には周囲の理解が不可欠であると言えます。

※2 出典:オストメイトの生活と福祉(令和4年11月)生活上で抱えている問題や悩み事 1位老齢化でストーマ管理ができなくなる 54.7% 2位災害時のストーマ装具の補給や自己管理 41.5% 3位ストーマ周囲皮膚のただれや痒み 36.8% 4位ストーマの便(尿)や臭いの漏れ 34.9% 5位病気の再発・再燃・転移 33.7%(N=3,930・複数回答)

防災の日をキッカケにオストメイトについて知ろう!

①災害時にココが困った!被災されたオストメイトの声※3から学ぶこと
被災当時の災害対策本部スタッフの方々がオストメイトマークやストーマ装具についての理解が乏しかったため、メーカーなどからストーマ装具の支援物資が届いていたにもかかわらず、避難所に送られることがなく山積みになっていたということがありました。認知度を高める啓発を続けていく必要があります。

※3 出典:アルケアの発行するオストメイト向け無料情報誌「向日葵」3号 オストメイトインタビュー

オストメイトマークとは
オストメイトマークは、オストメイトを表現したマークであり、オストメイトのための設備(オストメイト対応のトイレ)があることなどを表しています。バリアフリートイレの案内表示などで目にする機会があります。

オストメイトマーク

②知っておきたいオストメイトの災害時の備え~必要なサポートに誰もが気付けるように~
日本政府が公開している災害の「備え」チェックリストでは、非常用持ち出し袋の中身として、水、食品、防災ヘルメット・防災ずきん、など合計24種類の物と、子供がいる家庭の備え、女性の備え、高齢者がいる家庭の備え、としてそれぞれ追加で5~10種類の物が避難の際に持ち出すものとして推奨されています。
これらの一般的な備えとは別に、オストメイトはストーマ装具をはじめとして、排泄ケアに使用する物を準備する必要があります。また、オストメイトにとって、水は飲み水としてだけでなく排泄ケアにも欠かせないものですが、災害時は水が十分にないこともあるため、水を使わずに清拭できる洗浄剤やウェットティッシュが必須になります。

知っておきたいオストメイトの災害時の備え

例えば乳幼児や女性の場合、「ミルクをつくるのに水やお湯が必要では」「生理用品が必要かもしれない」など、ある程度想像がつき声掛けや配慮をすることができますが、内部障害をお持ちのオストメイトの方については、そのお困りごとにすぐに気付くことが難しいかもしれません。しかしながら、オストメイトについて少しでも知っていれば、サポートをしたり互いに支え合うことができる可能性が広がるのではないでしょうか。

アルケアの「オストメイトに向けた防災および災害時の支援」について

災害対策においては自助・公助・共助など多様な視点での備えが必要ですが、まず必要なのが自助です。アルケアのオストミーケア事業本部では、情報誌「向日葵」を通じてオストメイトの方の体験談や専門家からのアドバイスなど、オストメイトの方々に有益な情報の継続的な発信や、オリジナルの「ヘルプカード※4」を制作して読者プレゼントとしてご提供するなど自助を支援する活動をしてきました。
また、公助の点においては日本国内のストーマ装具メーカー7社で構成されているストーマ用品セーフティーネット連絡会(OAS)に参加し、災害発生時に災害救助法が適用された地域で、ストーマ装具の入手が困難なオストメイトの方に対して約1カ月分の装具を無料で提供する支援を行っています。
これらに加え、オストメイトご本人やご家族などの関係者に限らず、さまざまな方にオストメイトについて知っていただくことが、災害時にお困りのオストメイトの方へのサポートにつながると考えております。まずは、オストメイトについて知っていただくために、今後も私たちは、社会的認知の向上・理解促進のための啓発活動を継続してまいります。

※4 障害のある方などが災害時や日常生活の中で困ったときに周囲に自己の障害への理解や支援を求めるためのもので、緊急連絡先や必要な支援内容を記載する

オストメイトの「自分らしい未来(あした)」を応援するために、日々のストーマケアだけでなく「生活支援」を目指す

アルケアは、1965年に国立がんセンターの看護婦長(当時)からの要請により国産初のストーマ装具「ラパック」を開発しました。そこから約60年、現在アルケアのストーマ領域では、オストメイトの「自分らしい未来(あした)を応援する」というコンセプトのもと、ストーマケアで必要とされるストーマ装具のみならず、オストメイトの生活を生涯にわたってサポートする「オストメイトの生活支援」を目指し、事業を展開しています。ストーマ造設前と変わらない日常生活を送っていただくためのケア用品や肌着などのラインアップの拡充に加え、情報・サービスの提供の強化を図っております。
オストメイトは、がんを含めたさまざまな病気などにより、ストーマを保有することで心身ともに大きな変化を経験されますが、「自分らしく生きること」を大切にされていると感じております。私たちは、そのような希望や想いを大切に受け止め「今日よりも、明日をよくしたいと思っているケアをする人とケアを受ける人」を支えられる、製品・情報・サービスを研ぎ澄ましていきます。
アルケアは、これからもオストメイトの方々に寄り添い、お声を聴きながら多様なライフスタイルへの選択肢や可能性を提供し、誰もが自分らしく生活できる社会の実現に貢献してまいります。

アルケア株式会社について

アルケア株式会社は、1953年に国産初の石膏ギプス包帯「スピードギプス」の開発・製造に成功し、1955 年に創業しました。ケアをする人・ケアを受ける人の双方にとって「親切な製品をつくる」という創業当時の想いはそのままに、現在は予防から社会復帰にいたるまで、ケアをプロセス視点で捉え、整形外科領域、褥瘡・創傷領域、ストーマ領域、看護領域の4つの専門領域で事業を展開しています。「ケアすることの可能性をもっと豊かに。ケアを受けることをもっと前向きに。」アルケアは、そんな明日の形を見据えて、磨きぬいた製品や情報、サービスを社会の隅々にまで広げてゆきます。

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