Episode 04 看護領域

安全な医療を提供するうえで、
看護師さんが不安を抱えている。
その解決方法を提案できてこそ、私たちの存在意義がある。

医療のさまざまな場面で使われるカテーテルを、患者さんの身体に容易に固定できる独自の専用テープ。この商品のマーケティング担当者はいま、さらなるベストケアを追い求めて奮闘しています。

看護師さんの経験やスキルに
関わらず、
的確にカテーテルを
固定できないか。

カテーテルを扱う際、何が看護師さんたちを悩ませていたのか。いまから20年ほど前、当時の医療の現場が抱えていた課題を現在のマーケティング担当の社員はこう語ります。

「カテーテルを患者さんの身体に固定するには、医療用テープを適切な長さや形にカットし、的確に貼り付ける必要がありました。医療用テープをどうカットし、どう貼ればカテーテルをきちんと固定できるのか、それは看護師さんの経験やスキルに頼っていたのが実情でした。その結果、看護師さんによってカテーテルの固定具合がまちまちで、医療の質にばらつきが出てしまうことが問題になっていたのです。」

カテーテルをきちんと固定して管理するのは、安全な医療を提供する上できわめて重要なこと。さらに、医療用テープを一人ひとりの患者さんに応じて、その都度カットしていくこと自体も看護師さんにとって大きな負担になっていたと彼は言います。

経験やスキルに関わらず、どんな看護師の方々も容易にカテーテルを固定できる方法はないだろうか? そんな医療の現場が抱える課題に正面から取り組み、アルケアは商品開発に挑みました。

商品の価値がもっと伝われば、
もっと医療に貢献できる。

2003年に発売されたカテーテル固定補助テープは、あらかじめ最適な形状にプレカットされており、また、アルケアの開発担当者が考え抜いたテープ構造になっています。その意義について、彼はこう説明します。

「テープがプレカットされていることで、経験やスキルに関わらず、誰でも同じように固定ができる構造になっている上に、準備する手間も大幅に省くことができます。看護師さんの手技の標準化、省力化に、とても貢献できる商品。これを利用していただくことで、看護にゆとりと安心をもたらし、それが結果として患者さんの安心・安全につながっていく、本当に価値のある商品なんです。」

この商品はすでに市場に送り出されて20年近く経ちます。その間も、絶えず進化を続けており、彼が2018年にマーケティング部に異動してきたタイミングで新たに第三世代の商品が発売されました。医療現場からの声を受けて、それまで対応できていなかった極太のカテーテルの固定も可能にするテープや、鼻腔へ挿入するカテーテルの固定をより容易にするテープなどを新たに発売。こうした経緯で彼は、新商品のプロモーションを任されることになったのです。

「マーケティング部に異動する前は、営業の現場に携わっていました。そこで『本当に良い商品なのに、正しい使い方が伝えきれていないので、その価値が認知されていない』と感じることがあり、ぜひそれを解決するようなプロモーションをしたいという意気込みがありました。」

カテーテル固定のための専用テープ

社内で制作した看護師向けの勉強会ツール

利益だけを追求する
マーケティングはしない。
あくまでも相手のために。

当時、彼は上司から『自由な発想で、この商品を普及させるための方法をできるだけ多く考えてみなさい』と発破をかけられたといいます。

「医療関係者の方々や患者さんのことをとことん考え抜かなければ、これまでにないアイデアを、いくつも出すことはできないと思いました。けど、そこまで求められるのがアルケアらしさだと思いますし、逆に気持ちが奮い立ちました。」

彼はさまざまな企画を立案し、イラストを駆使した使用ガイドや、さらには手技をわかりやすく紹介する動画も企画制作。こうしたコンテンツをネット上にアップし、医療関係者の方々がいつでもどこでも閲覧できる環境を整えました。経鼻カテーテル用の商品については、各病院の看護師さん向けの勉強会のツールとして、社内の開発担当者と協力して人の鼻の模型を製作。各営業担当者がこれを使って説明することで、勉強会のクオリティが大きく向上したと言います。

「自分が起こしたアクションで、この商品がさらに普及していくのだと思うと、本当にやりがいを感じます。この商品は順調に拡大していますが、まだまだ進化の余地も残されている。ただ利益を伸ばすためだけのマーケティングではなく、さらなる付加価値を提供していかなければ私たちの存在意義はない。これからも、医療関係者の方々や患者さんにとって何がベストケアなのかを常に考えて追求していきたいですね。」

M.N.

ナーシングケアマーケティング部
2015年入社(新卒)