寒さが一段と身にしみる季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
気温が下がる時期は「ストーマ装具がうまく貼りつかない」「すぐに装具がはがれてしまう」といったお問い合わせが増えます。
「うまく貼りつかない」「すぐにはがれてしまう」原因として、寒い時期はストーマ装具の面板や面板を貼る肌が冷たくなり、面板が肌になじみにくくなることが考えられます。
今回は、寒い時期のストーマ装具交換で気をつけたいことをご紹介します。
なぜ、寒いと貼りつきが悪くなるのか?
ストーマ装具に使われている皮膚保護剤などの粘着剤は、温度が下がると硬くなることがあります。粘着剤が硬くなると、肌になじみにくくなり、皮膚の微細凹凸との接着面積が小さくなる(密着性が低下する)ため、結果として貼りつきが悪くなります。
さらに、寒い時期は肌の表面温度も低いため、肌になじむまでに時間がかかります。
そのため、暖かい時期と比べて、寒い時期は「うまく貼りつかない」「すぐにはがれてしまう」ということが起きてしまいます。
貼りつきにくいときは、面板や肌を温める
「うまく貼りつかない」「すぐにはがれてしまう」ときは、以下の方法で面板や肌を温めてみてください。
・面板を手で温めてみましょう。
(手が冷たい場合はワキの下などの温かい部分に挟むと温めやすいです。)
注意!ドライヤーやストーブなどの熱源では絶対に温めないでください。高温になり面板の破損につながります。
・ストーマ装具を貼る前に、ストーマ装具を暖かい部屋に置くようにしましょう。
・暖かい部屋で装具交換をしましょう。
・ストーマ装具を貼る部分の肌を事前に温めておきましょう。
注意!入浴直後は温まった面板が軟化して皮膚によく貼りつき、はがしにくくなります。入浴後30分以上経過してからストーマ装具をはがすようにしましょう。
・ストーマ装具を貼った後は、いつもよりも面板を長めに押さえてみましょう。
寒い時期は、"あたためる"こと
寒い時期はつい急いで装具の交換を済ませたくなりますが、暖かくした部屋でゆっくりと装具交換をしましょう。
面板や肌、そして交換する部屋を"あたためる"ことが大切です。
「うまく貼りつかない」「すぐにはがれてしまう」と感じた時に、ご参考になれば幸いです。
