適度な運動はストレス解消や健康維持など心身に良い影響を与えます。
食欲や睡眠を促す効果もあります。
ストーマ造設後は、散歩などの軽い運動から始め、徐々に体を慣らしていきましょう。
運動時の気になることの一つに「ストーマ装具の剥がれ」があります。
運動することによって汗をかくことで、皮膚保護剤の汗や排泄物の水分を吸収する作用の低下、皮膚に密着する力の低下により、皮膚かぶれや漏れの原因につながります。
今回は、運動時の剥がれ対策についてご紹介します。
面板外周部の補強
運動時の汗によって面板外周部の浮きが発生することがあります。
外周部の浮き対策の一つとして、「面板固定用テープ」を使用することがあげられます。
面板固定用テープを使用することで外周部の浮きが気になる方にとっての安心感につながります。
面板外周部を補強するテープにはサージカルテープやハイドロコロイド材テープなどいろいろな種類があります。
貼り心地など商品によって違いがあるため、テープの特徴を理解して、使用シーンに合わせたテープを選択すると良いでしょう。
装具の固定
運動時には身体の動きが多くなり、皮膚と面板の間にすきまが発生しやすくなり、剥がれや漏れの可能性が高まります。
そこで、ストーマ装具の密着性を高める方法として固定用ベルトを使用することがあげられます。
固定用ベルトには種類があります。
お使いの装具のメーカーやベルトタブの有無、平面装具なのか凸面装具なのかによって、適合する固定用ベルトが異なるので、購入するときは注意しましょう。
ストーマ袋の揺れや膨らみが気になる方は、腹帯や肌着を着用することでストーマ袋の揺れの防止や膨らみが目立ちにくくなります。
交換間隔の調整
活動状況に応じて交換間隔を1日早くするなど、皮膚保護剤の吸水性や粘着力が維持できるように、面板のふやけや溶けの状況を見ながら適切な交換間隔を判断しましょう
交換間隔の目安はコロストミーの場合は、皮膚保護剤の切り口から1cm程度のふやけや溶けがある状態、イレオストミーの場合は、皮膚保護剤の切り口から5mm程度ふやけや溶けがある状態が交換時期です。
ウロストミーの場合は、皮膚保護剤の切り口から5mm程度ふやけや溶けがある状態が交換時期です。
目安よりも多くふやけたり、溶けたりしていた場合には、 1日早め(例えば、通常4日交換を3日交換にするなど)に交換してみて、ふやけ具合や溶け具合を確認してみましょう。
皮膚保護剤の粘着力が十分な状態の時に運動をし、運動後に装具交換をするスケジュールで調整をすることも対策の一つです。
短期交換装具の選択
装具の剥がれ対策の一つとして、短期交換装具を使用するという方法もあります。
短期交換装具を使用することのメリットとして、運動前日に装具交換をし、吸水性や粘着力が維持された状態で運動をすることができ、運動終了後に都度交換することができます。
中長期交換装具の交換間隔を短くして使用した場合と比較し、短期交換装具を使用した方が1枚当たりの単価が安く、コストを気にせずに装具交換をすることができます。
運動する日は短期交換装具、運動しない日は中長期交換装具といった形で複数の装具を使い分けるのも方法の1つです。
最後に
運動中にストーマ装具の剥がれの不安があると、運動を楽しめないこともあるかもしれません。
今回ご紹介したストーマ装具の剥がれ対策例を参考に、剥がれを気にすることなく、運動を楽しんでいただけたら嬉しいです。