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2022年7月 4日

アルケアの研究開発部門に在籍する社員が第31回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会にて優秀演題賞を受賞しました

第31回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会※1で、アルケアのウンド&ナーシングケア設計開発部に在籍する関口 祐樹(専門:スキンケア開発)が一般演題 10 スキンケア「清拭時における適切な力加減の算出及び泡洗浄料が患者にもたらす価値」で発表を行い優秀演題賞を受賞しました。

※1 会長:渡邊 千登世先生 神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 看護学科 准教授、2022年5月20日(金)・21日(土)WEB開催、2022年6月1日(水)~6月30日(木)オンデマンド配信

研究内容について

患者さんの肌の汚れを落とすシーンで最も多いのが排せつ物の清潔ケア※2ですが、その洗浄方法として「こすって洗う」ことを推奨しない情報が多くあります。非推奨とされる理由は、皮膚が脆弱な高齢者は摩擦・ずれによって、皮膚が裂けて損傷してしまうことがあるためです。
本研究では、「清拭等の清潔ケア時に適切な力加減とは」という問いを設定し「清拭時における適切な力加減の算出と、算出した適切な力加減を用いた異なる清拭方法における洗浄力の比較評価」を実施しました。

※2 洗顔、洗髪、清拭、シャワー浴、更衣、足浴などの身体の清潔を保つためのケア

研究成果について

一定の力加減(なでる・さする)にて、4種類パターンの洗浄方法※3による洗浄力の比較評価を行いました。
その結果、ガーゼでは皮膚に負担をかける「こすり洗い」でなければ汚れが除去できませんでしたが、泡状の洗浄剤を使用することで「なでる」「さする」という、こすり洗いと比較して弱い力加減※4で汚れの除去が可能になり、「やさしい」清潔ケアを実現できることがわかりました。
この結果から、泡状の清拭剤を使用することで高齢患者さんのスキン-テア※5発生の予防につながると考えます。

※3 洗浄方法:ガーゼ、泡状洗浄剤・ガーゼ、ぬるま湯・ガーゼ、石鹸・ぬるま湯・ガーゼ
※4 本研究検証結果による各動作による力加減の平均値は、こする:1100g、さする:341g、なでる:88g、であった
※5 高齢者などの皮膚が脆弱な人に、摩擦やずれなどの一時的な外力が加わることで生じる皮膚の損傷

日本創傷・オストミー・失禁管理学会について

米国でEnterostomal Therapist(ストーマ療法士)の資格を取得し帰国した7名の医師と看護師が1981年に創設した日本ET協会での活動が先駆けとなり、学術団体として発展し、創傷、オストミー、失禁のケアに関する学術的進歩を主眼に置いた学際的取り組みを目的とした学会です。
https://jwocm.org/about/

学術活動への支援

アルケアは、2011年から一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会に対して「アルケア技術・研究助成」を設け、ケアの向上と発展を推進するため研究助成を行っています。会員が応募した研究に対して、研究内容や将来性を考慮し、学会にて助成採択者を決定しています。
また、1997年に医療関係者向け季刊情報誌「アルメディア」を創刊し、医療のさまざまな場面でケアに携わる方々が情報発信・情報交換する場としています。
今後とも、学術活動の支援に取り組み、健康で豊かな医療福祉社会の実現を目指してまいります。