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オストメイトの入浴時のストーマ装具の剥がれ対策

入浴は身体を清潔にするだけでなく、血液の循環や新陳代謝を促したり、ストレスを解消し心身ともにリラックスするなどの効果があります。

「入浴がストーマに悪い影響を与えるのでは?」と心配される方もいるかもしれませんが、入浴することでストーマにトラブルが起こることはありませんのでご安心ください。
ストーマ装具をつけたままでもシャワーを浴びたり、湯船に浸かったりすることができます。

入浴する時に気になることの一つに「ストーマ装具の剥がれ不安」があります。
今回は、ストーマ装具の剥がれ対策についてご紹介いたします。

面板外周部の補強

入浴をすることによって面板外周部のふやけや溶けが発生することがあります。

外周部のふやけや溶け対策の一つとして「防水性のある面板固定用テープ」を使用することがあげられます。
防水性のある面板固定用テープを使用することで外周部のふやけや溶けを防ぐことができます。

面板外周部を補強するテープにはサージカルテープやハイドロコロイド材テープなどいろいろな種類があります。中には防水性のないテープもありますので、注意が必要です。
貼り心地など商品によって違いがあるため、テープの特徴を理解して、使用シーンに合わせたテープの選択をすると良いでしょう。

装具全体を覆い隠す

ストーマ装具を濡らさないことも、剥がれ対策の一つの方法です。

ストーマ装具を濡れにくくするものとして、装具の上から覆うことができる入浴用シールがあります。
入浴用シールを使用することでストーマ装具が濡れるのを防ぎ、剥がれ対策につながります。

また、入浴用シールは防水以外にも目隠しとして使用することができます。
公衆浴場等、周囲が気になるときにもおすすめです。

交換間隔の調整

シャワー浴が中心なのか、湯船に浸かることが多いのかなど、入浴の仕方によって交換間隔を調整することも一つの方法になります。
入浴の仕方に応じて交換間隔を1日早くするなど、皮膚保護剤の吸水性や粘着力が維持できるよう、面板のふやけや溶けの状況を見ながら適切に交換間隔を判断しましょう。

交換間隔の目安はコロストミーの場合は、皮膚保護剤の切り口から1cm程度のふやけや溶けがある状態、イレオストミーの場合は、皮膚保護剤の切り口から5mm程度ふやけや溶けがある状態が交換時期です。
ウロストミーの場合は、皮膚保護剤の切り口から5mm程度ふやけや溶けがある状態が交換時期です。

目安よりも多くふやけたり、溶けたりしていた場合には、まず1日早め(例えば、通常4日交換を3日交換にするなど)に交換してみて、 ふやけ具合や溶け具合を確認してみましょう。

短期交換装具の選択

装具のもちが悪くなるため入浴回数や入浴時間を制限している方も多くいます。※1
短期交換装具を使用することで、装具のもちを気にすることなく、入浴することができます。
短期交換装具を使用したことで入浴回数が増え、シャワー浴から全身浴へと質的変化を認めた調査報告もあります。※2

中長期交換装具の交換間隔を短くして使用した場合と比較し、短期交換装具を使用した方が1枚当たりの単価が安く、コストを気にせずに装具交換をすることができます。
湯船に浸かりたい日が多い時は短期交換装具を使用し、それ以外の日は中長期装具を使用するなど、生活シーンに合わせた装具を選択することも考えてみてはいかがでしょうか。

※1 NPO法人ストーマ・イメージアップ・プロジェクト ストーマ保有者の困った経験の実態調査報告書2020 2.1)日常生活で困った経験
※2 文献:短期間で交換可能な一品系人工肛門装具(ユーケアD)の有用性についての検討 著者名:佐々木一晃 掲載誌名:臨床と研究 発行年:2001年

最後に

普段と同様、ストーマ装具をつけたまま入浴することができます。
必ずしも対策をとる必要はありませんが、入浴時の「ストーマ装具の剥がれ」が気になる方は、今回ご紹介した対策例を参考に、より安心して入浴を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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