前回、日頃からできる対策として、ご自宅の中の対策と避難の準備をご紹介しました。(ブログ記事はこちらから)
今回は、「オストメイトのための災害備蓄と非常用持ち出し袋の準備と工夫」についてご紹介します。
はじめに
大規模災害が発生するとライフラインが止まってしまうだけでなく、倒壊した建物などによって道路がふさがれ、数日程度は流通が機能しないおそれがあり、生活必需品を入手できなくなる可能性があります。
特にオストメイトの皆さんは、人によって使っている装具が異なるため、災害時も自分にあった装具が使えるように、1人ひとりが日頃から災害に備えておくこと(自助)がとても大切です。
備蓄について
食料・飲料・生活必需品などの備蓄
普段から飲料水や保存がきく食料などを備蓄しておきましょう。
防災のために特別なものを用意するのではなく、できるだけ、普段の生活の中で利用している食品などを備えるようにしましょう。
食料・飲料・生活必需品などの備蓄の例(人数分用意しましょう)
・飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
・非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
・トイレットペーパー、ティッシュペーパー、携帯トイレ・簡易トイレ、マッチ、ろうそく・カセットコンロ など
※ 大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。
※ 飲料水とは別に、トイレを流したりするための生活用水も必要です。日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水をいつも張っておくなどの備えをしておきましょう。
「災害が起きる前にできること」(首相官邸ホームページ)(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html)を加工して作成
ストーマケア用品の備蓄
普段から使用しているストーマ装具やケア用品を約2週間〜1カ月分備蓄することで、災害時も当面は生活することができます。
備蓄のポイント ローリングストック
普段から食料や日用品、ストーマケア用品などを少し多めに買っておき、古いものや使用期限が短いものから使用し、使った分だけ新しく買い足していくと、常に一定量を備蓄しておくことができます。
備蓄のポイントは、3つです。
・少し多めに備える
・古いものから使う
・買い足す
これを繰り返しながら常に一定量を備蓄する方法をローリングストックといいます。
ローリングストックを日常生活の一部に取り入れてみましょう。
「今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方」(政府広報オンライン)(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202103/2.html)を加工して作成
オストメイトの非常用持ち出し袋の準備
非常時にすぐに持ち出せるように、ストーマ装具、装具交換に必要なケア用品、飲料水、非常食、薬などを非常用持ち出し袋に入れておきましょう。10〜14日分くらいは入れておくと安心です。
また、半年に1回、長くても1年に1回は中身をチェックして、使用期限が短いものは交換しましょう。
装具は自宅だけでなく、親戚や友人宅にも「分散備蓄」しておくと安心です。自治体によっては装具の預かり事業を行っている場合もあるので、確認してみましょう。
ポイント→「非常用持ち出し袋チェックリスト」を参考に、ご自身の状況に合わせて準備しましょう。
ポイント→災害が発生したとき、自宅にいるとは限りません。外出時は必ず予備の装具一式を持ち歩きましょう。
次回予告
次の記事では日々防災シリーズ第3回目「災害時のストーマケアと支援」についてご紹介します。